1 はじめに
1-1 オンライン講義
 大学で非常勤講師をしていますが、平年より一か月遅れの5月1日に開始したオンライン講義を終え、来週(8月第1週)の期末テストで無事終了します。対面授業のようなzoom、資料の配布や課題の受け取り、成績表示のGC(GoogleClassroom)、演習ものはGCに代えて従来から使用しているMoodleLMSを使いました。
 教員生活40年、福井に転勤して29年目ですが、これほど教育効果を感じた学期はありませんでした。その理由は、受講者が(気の毒ですが部活やアルバイトがなく)講義に集中できたこと、zoomでは1対1の対応が対面授業よりしやすいこと、質問をチャットなど文字でできること、欠席者や通信トラブルのためにクラウドに記録する授業をあとで聴いて聞き逃しや復習に利用できること、グループ討議(ブレイクアウトセッションBOS)できること、など多くの利点があります。とりわけBOSは、教師がBOSに入る、入らないを選択できる、適時入室でき特定のBOSにメッセージを出すこともできる、など教室のグループ討議以上の効果でした。
1-2 対面かオンラインか
 後期は対面講義かオンライン講義か未定ですが、その両者を併用できる環境があるといいと思います。大学のコンピュータルームや図書館にあるPCをブース化すれば可能です。受講者は自宅でも大学でもオンライン講義をうけることができるだけでなく、部活で学外にいるときもオンライン講義なら受講できます。一般の講義は教師にとっても同様で、大学でも自宅でも、出張先でも講義ができ、いいことだらけです。対面でないとできないと考えがちな体育や実習・実験ですら、機器さえ揃えばその一部をVRなどを使ってオンライン化がが可能になるかもしれません。コロナを機会に大学の講義がオンラインと対面の両用になることを期待しています。

1-3 オンライン講義メモ
 さて、オンライン授業の中核となるzoomの扱いについて今回学んだことを記録しておきます。いまや学校に限らずzoomはリモート会議や対談、オンライン講演会、オンライン飲み会などに多様されていますが、ここでは授業や会議に限る使い方をまとめておきます。

2.ズームの参加と開始
2-1 単なる参加
・ホストから送られてきたメール内のURLをクリックするだけでよい。
・zoomアプリを起動させて参加する場合(後述)、URLかミーティングID(MID)を入れる。
・MIDのあと、パスワードPWを要求される場合もある。
・MIDとPW(あれば)はホストからのメールにある。URLには、zoom起動と、そのあとにMIDとPWがつづいて記載されている(ハッシュ関数と短縮化されているとよめない)場合もある。
・オーディオ(音声)とビデオ(カメラ映像)のオンオフは、ホストが設定している。自分で変更もできる。
2-2 ホストとしてズームを使用する
(1)ズームアプリをダウンロードする。
(2)初期メニューの選択
・新規ミーティング(すぐに開始)
・スケジュール(会議を開催する:後述)
・他の人を招待
 URLやMIDをバッファーに記憶、またはメール宛名を指定すると、招待メールとURL等を含むメールを発送できる
・オーディオに参加、画面共有
(3)スケジュールの設定
・ミーティングの名前を入力
・開始年月日と時間、経過時間(30分単位)
・3人以上の会議で、会議時間が45分以上の場合は、有料会員にアップグレードする。
・30分指定で会議をスタートすると、40分で会議終了メッセージがホストに届く。
・会議は、40分でおわるようにするか、あらかじめ40分で会議を中断し、休憩ののち新規ミーティングを開始するのがよい。ただし、新規MIDをメールで連絡する旨案内終了をしておく。
・MIDは、自動生成または個人IDを使う。
・パスワードは、自動MIDなら自動、個人MIDならあらかじめ決まっている。
・会議開始時のビデオのオンオフを、ホストと参加者についてそれぞれ事前に設定する
・カレンダーと連動させると、会議開始前に案内がくる
3 ホストとしての操作
3-1 開始
・ズームアプリを起動する。
・IDとパスワードを入力後、参加者アイコン→ホスト申請でホストキーを入力。
・セキュリティ項目で、参加者の画像共有の許可(デフォルトは不許可)などを設定する
・セキュリティ項目で、「待合室を有効化」にチェックがあると、ホストが入る前に参加した参加者は待合室に入り、ホストの入室まで待つようメッセージをうける。ホストが入ると入室となる。
・参加者を制限する設定では、一人ひとりにホストが許可をいれる。(スケジュールの設定するか、セキュリティ画面で設定する)
3-2 最初にやること
zoom画面下のメニューバーにある次の項目(アイコン)をセットする。
以下ではサブメニューを列挙する。✓のついているものはデフォルト、必要に応じて✓をいれる。
(1) ミュート
・マイク・スピーカの選択、音声スピーカのテスト
・準備ができたときミュートを解除する。
(2)ビデオの開始
・カメラの選択(デフォルトはPCについてカメラ)
・仮想背景、いくつか選択できる。手持ちの画像や動画も選択できる。ただし、ディスプレイの性能や部屋の壁の具合で映りが悪くなる。白い紙を貼など背景をシンプルにすると映りよくなる。
(3)セキュリティ
・ミーティングをロックする
・待合室を有効化
・参加者に次を許可
  画面を共有(これは必要に応じて✓する)
 ✓チャット
 ✓自分自身の名前を変更
・参加者を削除
(4)参加者画面
  すべてミュート解除
 ✓開始時ミュート
 ✓参加者に自分のミュート解除を許可する
 ✓参加者が自分の名前を変更するのを許可
  入退室チャイムの再生
  ミーティングをロックする
・会議ウインドウをマージ(zoom画面と一体になっているが、右上のアイコンで切り離した場合に、このアイコンに✓すると戻すことができる)
・参加者名は、アプリ起動時に名前を入れるが、参加者画面で参加者自身が変更できる。
・参加者名は、発言者が上位に列挙される。よって名前列は常に入れ替わる。
・参加者は、挙手など、「手の上げ下ろし」アイコンを操作できる。ホストには挙手のメニューがない。
(5)チャット画面
・チャットの保存
 参加者は次とチャット可能:
  該当者なし
  ホストのみ
  全員をパブリックに
  全員をパブリックおよびプライベートに
 会議ウインドウにマージ(参加者画面の場合と同じ)
・チャット画面の上部は、チャットの内容が表示される。この画面は「記録ファイル」として右の「…」をクリックすると保存できる。保存を押すと、ファイル表示で保存されるファイルを明示し、それをいどうすることで指定場所に保存できる。
・チャット画面の下は入力ウインドウ。チャットの相手を指定(デフォルトは全員)、適宜会話を入力する。この場所に資料ファイルをドラック&ドロップして参加者にファイルを渡すこともできる。ファイルのアイコンが見えない場合は、「…」からファイルを参照で見つけ出して入力することもできる。
(6)画面共有
・zoomの有力な機能。後述する。
(7)レコーディング
・クラウドに記録、または特定のホルダーに記録
・録音を一時停止、再開
・zoom終了前に必ずレコーディングを終了する
・記録ファイルは、URLが返され、ユーチューブでみることができる。
(8)ブレークアウトセッション
・分科会機能。後述する。
(9)終了
・クリックすると、このミーティングから退出
・ミーティングを終了する
・前者は自分が一時退出する
・後者をクリックすると参加者を強制的に退出させる。
3-3 ホストがやること、やれること
(1)画像共有
・2-2(3)のセキュリティでホストが許可すれば参加者もできる。
・メニューの「画像を共有」を押すと、共有候補一覧画面が表示されるので、一つを選択する。
・共有する画像候補は、事前に起動しているアプリ(タスクバーにおいておくとよい)およびデスクトップ画面である
・使用している複数のディスプレイや連動させているスマートフォン端末も候補になる。
・画像は同時に一つしか共有できない。
・共有する画像を次々と代えていく場合は、「新しい共有」アイコンを操作する。さもないと次に移る際に操作している自分の顔が映し出される。
・ 画像共有中は、参加者には共有画面の右上に小さくホストの画像も表示される。
・参加者が画像共有することもできる。この場合、ホストがその許可をする。
3-4 BOS(グループ会議)
・BOS(ブレークアウトセッション)のアイコンを押す。
・グループ分けは、自動または手動を選択する
・自動の場合は、セッションの人数を入力する。自動割り振りのあとに、部屋の移動は可能。
・手動の場合は、部屋の数を入力後、参加メンバーの一覧から入室者を選択する。
・部屋の名前は、部屋1、2、3、・・・であるが、後で名前変更は容易にできる。
・BOSの時間設定や〆切り前1分のメッセージ発信ができる。
・ホストは、全部屋あるいは各部屋にメッセージを送ることができる。
・ホストは、適時各部屋に入室できる。
・各部屋への入室操作は、参加者個人でも、ホストが強制することもできる。
3-5 ズームの記録と終了
・ホストは、会議の記録、一時停止と再開、記録の終了できる。
・記録ビデオはクラウドに記録され、URLとパスワードをいれてユーチューブで再現する。
・ズーム終了前にレコーディングを停止する。
・ズーム会議の終了
 メニュー「終了」ボタンをおすと、ミーティングを退出ボタンがでる
 ホストの場合は、「全員に対してミーティングを終了」の選択も可能

4 資料提供
 Zoomは対面授業の教室そのものです。このほか対面授業では、資料提供や課題提出と評価、試験を実施します。このれらの機能は、前述(1.はじめに」)のとおりGCやLMSで対応しますが、教育現場以外では一般的でないと思われるので割愛しました。
 なお、本稿はあくまでも体験者のメモです。個々の記述には、間違いや思い違いがあると思います。ご了解のうえ、ご参考下さい。